俳諧の茶の湯
「俳諧の茶の湯」というのがあったそうです
谷晃著『茶人たちの日本文化史』(講談社現代新書)を読むと、
江戸時代に、茶事をしながら俳句を作って楽しむということがあったようです。
茶事というと、炭点前、懐石、濃茶、薄茶と続く、
長い時間をかけて行われる茶の湯です。
これの合間合間に俳句を作る楽しみを加えたものだそうで、
茶事に招かれた客はまず、お庭で待っている間に句を作る。
懐石料理を食べた後、句を作る。
濃茶の後で、みんなの作った句が披露される。
薄茶が点ったら、また句を作る。
といった具合で進んだそうです。
芭蕉や蕪村も体験したのでしょうか?
江戸の文化が香るような催しで、
タイムマシーンがあったら私も参加したいですが、
しかしよく考えてみると、披露されても恥ずかしくない句を作ろうとすると、
せっかくのお茶の味も料理の工夫も味わえない気もします。
この時代もそういう気持ちになる人が多かったのか、
この催しはそんなには流行らなかったそうです。
(谷野)
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