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むかし男ありけり 「東下り」の茶碗

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感動のある茶碗

「今は昔」と聞くと、「竹取の翁というものありけり」ですが、

「むかし男ありけり」というと、、『伊勢物語』ですね。

この『伊勢物語』中の「東下り」の部分が描かれた茶碗があります。

馬に乗るのは在原業平と思われます。

彼は世界三大美女(と勝手に日本で言われている)小野小町と

お付き合いしていたモテ男らしいのですが、、、

今は都を立って東国を目指して旅しています。

その理由は、

「その男、身をえうなきものに思ひなして」とあるので、

自分はダメだなあと思い込んで、都を出たみたいです。

失意の旅だったんですかね。

 

このお茶碗をお客様に出して、

「茶碗を回して正面を避けて飲んでください」というと、

こんな絵に変わります。

Mt.富士が現れるのです。

外国から来られたお客様は富士山のことはよく知っていて、

雪をかぶった富士山の絵だとと気づくと、

「新幹線から見た」とか、「天気が悪くて見えなかった」とか

急に反応いろいろです。

 

この茶碗は、正面を避けるため茶碗を回してお茶を飲むという

茶道の決まりを巧みに生かした

本当によくできたお茶碗です。

 

なお茶碗に描かれた季節は、旧暦の5月の終わりと『伊勢物語』にあるので、

今なら4月。

野に土筆やワラビや小さな松らしきものが描かれているように見えます。

(谷野)

 

 

 

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