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宮島って、どんな世界遺産?

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宮島って、どんな世界遺産?

 

厳島神社
写真提供:広島県

 

宮島は日本に現在23個ある世界遺産のうちの一つです。
しかしながら、一言に世界遺産といっても、
色々な認定基準があることをご存じですか?
今回は宮島って、どんな世界遺産?を掘り下げてみたいと思います。

 

 

世界遺産の定義とは?

とても簡単に説明すると、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関/United Nations Educational,Scientific and Cultural Organization)が認定する、人類が受け継いでいくべき宝物です。
世界遺産という考え方が広まったきっかけは1960年、アスワンハイダムの建設により水没の危機に瀕していたヌビア遺跡(アブ・シンベル宮殿が有名)を救済するための世界的キャンペーンが行われたことでした。
人類共通の遺産といえる貴重な場所や自然、遺跡などを適切に保護、管理し、受け継いでいくことができるようにするシステム、ともいえます。

そして、世界遺産は大きく分けて「自然遺産」「文化遺産」「複合遺産」の3つに分かれています。
これは10個ある登録基準を元に分類されています。(登録基準については後程説明します)

ユネスコのホームページには詳しい定義が載っています。

 

 

 

 

 

 

宮島は何遺産?自然?文化?複合?

 

宮島桟橋付近の世界遺産の碑
宮島桟橋付近の世界遺産の碑
碑の穴からは大鳥居が見えるようになっています。
碑の穴からは大鳥居が見えるようになっています。

 

宮島は世界文化遺産として登録されています。
登録は1996年、日本で8番目でした。
ちなみに広島のもう一つの世界遺産、原爆ドームは同じ年に日本で7番目の世界遺産になりました。こちらも世界文化遺産です。

 

 

 

世界遺産への登録名は「厳島神社」です。

え?宮島は世界遺産ではなくて、厳島神社だけなの?と思ってしまうかもしれませんが、
厳島神社の境内だけでなく、大鳥居より内側の海、背後の森林431.2ヘクタールも世界遺産文化区域として登録されているのです。
更に、世界遺産では「核心地域」「緩衝地帯」という考え方を採用しており、層を重ねるようにして「核心地域」を保護するようにしています。
宮島は、上記の大鳥居より内側の海、厳島神社、背後の森林島全体が「核心地帯」島全体が「緩衝地帯」に指定されています。つまりは全島が世界遺産の関連地域であり、宮島が世界遺産です。という言い方も間違いではありません。

 

厳島神社 写真提供:広島県
世界遺産エリアの区切りライン
世界遺産エリアの区切りライン。写真右側の海の中の線より鳥居側が世界遺産エリア。

 

余談ですが、宮島は潮干狩りスポットでもあります。ただし、上記の写真の示す世界遺産エリアでは潮干狩りNGですからご注意を!

 

 

世界遺産の登録基準について

では、宮島のどんなところが評価されて、世界遺産に登録されたのかを詳しく見ていきましょう。
世界遺産は「この遺産はここがすごい!」という10個の登録基準を元に認定されます。
基準のうち、1~6を満たすものが文化遺産、7~10を満たすものが自然遺産、1~10にまたがるものを複合遺産と呼んでいるのです。

厳島神社の登録基準は1.2.4.6です。1~10を詳しく説明すると長くなりますので、
どこがすごい!と評価されているのかを簡単に説明すると、以下のようになります。

 

1.人間の才覚や創造的資質を表す傑作である。
  →厳島神社を現在の形に造営した12世紀の権力者、平清盛の功績
2.建築などの発展に貢献した文化の交流を示すものである。
  →弥山をご神体として祀り、山と海と一体化した、
   海に浮かんでいるように見える厳島神社の景観は
   日本に現存する
社殿の中でも独自のスタイルを持っている。
4.建築などの発展や科学技術を表すものである。
  →再建を繰り返しながらも造営当時の姿、平安時代の寝殿造り
  (建物と建物を回廊で
結ぶ、等が特徴)の様式を残している。
6.伝統や宗教、芸術に関連するものである。
  →神道の施設であるが、仏教との共存や分離の歴史を持ち、
   神仏混交の特徴を見ることができる。代表的な風景としては厳島神社の
   敷地内に含まれる場所に五重塔(仏教の建築)がある、などがあげられる。
   これは日本でも数例しか現存していない風景である


厳島神社から五重塔を眺める風景
厳島神社から五重塔を眺める風景
 

世界的に見ても厳島神社の独自性は高く評価されるものだったんですね。
もし訪れる機会があればぜひこのポイントに注目して見学してみてください。
日本のほかの世界文化遺産では姫路城や法隆寺、白川郷などが有名です。
 

10個の認定基準について詳しくは下記リンクを参照ください。

 

 

 

 

世界文化遺産として

世界遺産は登録に至るまでにもたくさんの審査があり、島民の方々をはじめとした多くの人々の努力により、登録が決定しました。また、登録されて終わりではなく、その文化的背景の独自性や伝統を継承していかなくてはなりません。町並みの保存や弥山の自然保護など、様々な努力が厳島神社、宮島を世界遺産として保っています。

 2020年8月現在も続けられている大鳥居の補修工事も、創建時の素材や工法を可能な限り保つことが求められているため、時間をかけて調査、補修が行われています。なかなか美しい鳥居の姿を見ることができませんが、これも世界に誇る景観を維持するための大切な過程なんですね。ちなみに前回の大規模補修は約70年前に行われました。現在の補修中の鳥居はある意味とってもレアな風景!見られるのは今だけ!

 

補修中の大鳥居
補修中の大鳥居

 

 

世界文化遺産 厳島神社と宮島をもっと楽しもう!

毎週土曜・日曜の10:00から宮島観光協会の主催する予約不要のガイドツアーが行われています。おひとり様500円(厳島神社拝観料おとな300円が別途要)で約1時間半のとってもお得なツアーです。宮島にお越しの際は是非参加してみてください。
※新型コロナウイルスの影響により、開催日が変更・中止等の場合がありますので、必ず事前にホームページなどでご確認ください。

 

 

宮島観光協会 ガイドツアーについて

https://www.miyajima.or.jp/course/course_sekaiisan.html

 

 

 

宮島ガイドツアー
ガイドツアーの看板

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